少し前を歩く見慣れた招き猫の姿に安心感を覚える。
妖は依然として見えないままではあるが、この依代の姿ならはっきりと肉眼で捉えることが出来る。


『うっかり呼ばれてしまったのさ』


その言葉に不謹慎ながらも暖かさを感じながらもこれ以上の被害を出さないためにタキの元へ急ぐ。




ふと、気がついたことがあった。



「なぁニャンコ先生」
「なんだ」

「…ニャンコ先生なんだな」
「なにがだ」


「タキに教えた名前」


タキが「名」だと認識すれば確かにそれは祟りの対象となる。
先生は自ら『正体を話した』と言っていなかっただろうか。
どうゆう説明をしたかは知らないが…。


「…」


先生が不自然に目を逸らす。
気持ちスピードも上がった気がする。



「先生!?」
「無駄口を叩くな早く行くぞ」




近づいてはスピードを上げられるの繰り返しで話を聞いてくれそうも無い。



(どうして『斑』の方を教えなかったのか気になるけど)


(ま、いっか)




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これは斑の方を教えなかった事に萌えれば良いのか、
ニャンコで定着している事に笑えば良いのか(笑)